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遠視の場合、水晶体の調節力があれば光を網膜まで引き寄せることが出来ますので、遠方視力は悪くはありません。若い方は調節力が大きいため、ほとんど遠視を自覚しません。
むしろ軽い遠視があったほうが度数0Dよりも遠方視力は良好です。しかし、年齢が進むと調節力が小さくなるので正視の方よりも早く老眼鏡を使うようになります。
乱視は「凸レンズや凹レンズを使っても網膜にピントが合わない状態」です。乱視は角膜と水晶体のゆがみによって起こります。
乱視を理解するために、水晶体は正常で角膜だけにゆがみがあるとします。実際の角膜は球面ではありませんが球面として考えます。
角膜に乱視がなければ角膜のどこを測ってもカーブは一定です。乱視のある角膜はラグビーボールを横にしたような形をしている場合が多く、90度のカーブは180度よりも小さな値となり、90度のほうが180度よりも度数は大きな値を示します。
その度数の差をもって乱視度数とします。乱視度数は相対的な値ですが、マイナスで表すのが普通です。
たとえば、90度のカーブが長く角膜度数がプラス45Dとします。180度のカーブが短く角膜度数がプラス42Dとします。
そのとき乱視度数は3Dです。カーブの長い軸の角度を乱視の軸としたときはマイナスを乱視度数につけます。
ここで、マイナス9Dで、乱視がマイナス3D、乱視軸が180度の近視性乱視のある眼について考えてみましょう。縦のカーブは横のカーブよりも小さく、縦の光は横の光よりも1ミリ手前に結びます。
それを補正するレンズは横から見ると凹レンズ、上から見ると板ガラスの構造をしています。そのような乱視のレンズを円柱凹レンズといいます。
円柱凹レンズにも度数があり、横から見た凹レンズの度数をもって円柱凹レンズの度数とします。この場合、マイナス3Dの円柱レンズを180度の方向に入れます。
円柱凹レンズで乱視を補正すると、マイナス9Dだけの近視が残り、ピントは網膜から3ミリ手前に結びます。そこでさらにマイナス9Dの凹レンズを使うとピントは網膜に結びます。
このように近視と乱視がある場合、凹レンズと円柱凹レンズを組み合わせたレンズで眼鏡を作ります。乱視は1〜2Dを軽度乱視とし、2D以上を強度乱視と分類します。
円柱凹レンズの軸が180度で矯正できる乱視、すなわちラクビーボールを真横にしたような眼の乱視を直乱視といい、最も多い乱視です。円柱凹レンズの軸が90度で矯正できる乱視は倒乱視、乱視軸が斜めの場合、斜乱視といいます。
正視の方は年齢が進むと倒乱視になるのが普通です。その理由として倒乱視の方がピントの合う範囲が広く、カメラでいえば被写体深度が大きいため、眼が合目的にそのように変化したのだと考えられます。
また、円柱レンズで矯正できる乱視は正乱視といい、円柱レンズで矯正できない乱視を不正乱視といいます。不正乱視はドライアイ、角膜炎、角膜漬傷、円錐角膜などが原因で起こります。
弱視とは「矯正視力で1.0以上にならないような眼の状態」をいいます。近視や遠視、正乱視があってもレンズで矯正すれば視力は1.0以上になるのが普通です。
しかし、不同視、白内障、不正乱視、水晶体混濁、硝子体混濁、網膜症、円錐角膜などがあれば1.0の矯正視力にならないことがあります。特に、高齢者では水晶体が混濁する白内障や、視野が欠損する緑内障が高確率で起こります。
強度近視の人は黄斑変性症という網膜疾患が起こりやすく、矯正視力の低下が見られます。また、子供の頃に強度の遠視があった場合、適切な遠視のメガネを使わなければ弱視になることもあります。
極度の乱視がありメガネやコンタクトレンズで矯正できない場合も弱視になります。また、屈折矯正手術において、視軸をしっかり合わせずレーザーを照射した場合にも不正乱視が起こります。
なお、こうした例では、後述するウェーブフロントレーザーによって矯正できることがあります。乱視の状態を知るには後述するオートケラトメーター、トポグラフィーやオーブスキャンなどといった装置が役立ちます。
一般的に、レーザー屈折矯正手術では弱視を治すことはできません。「左右の眼における度数の差が2D以上ある状態」を不同視といいます。
不同視があれば度数の強い側で頭痛や肩こりが起こります。不同視の場合、眼鏡で両眼を完全に矯正しても近視が強いほうの眼では物が小さく見え、めまいが起こるため、両眼で物を見るのが難しくなります。
両眼で立体的に物をとらえる能力も低下します。眼鏡で不同視を矯正しようとすれば、近視の軽いほうの眼に合わせなければなりません。
度数の大きな眼のほうは弱視になりがちです。コンタクトレンズで矯正すると、見える物の大きさに差がなくなるため不同視を矯正できます。
このような不同視に対してレーザー屈折矯正手術は非常に有効です。眼の中に人工のレンズを入れることはフェイキックIOLという治療方法で実現されています。
フェイキックIOLは人工レンズを角膜と虹彩の問に挿入し、虹彩の組織に固定します。@眼の中に人工のレンズを入れる。
A角膜の形を変える。B網膜までの眼軸の長さを変える。
などの方法が考えられます。眼軸の長さを変えることはできませんので、実際には@かAの方法に限られます。
@はフェイキックIOLとフカラの手術として行われ、Aはレーザー屈折矯正手術として行われています。老人になると水晶体が濁る白内障になることがあります。
現在行われている一般的な白内障の手術は、水晶体を包んでいる後ろの膜を残して水晶体を摘出し、そこに人工レンズを入れて固定します。昔の白内障の手術では混濁した水晶体を摘出した後、角膜と虹彩の間に人工レンズを取り付けました。
フェイキックIOLは水晶体を摘出しませんが、他は白内障と同じような方法で行います。なお、白内障手術では凸レンズを入れますが、近視に対するフェイキックIOLでは凹レンズを入れます。
フェイキックIOLは非常に強い近視を矯正できますが、次のような問題があります。異物にたいして過敏な体質の場合、人工レンズでアレルギー反応が起こることがある。
夜間、光を見たとき人工レンズの反射によってギラギラしたまぶしい感じが現れることがある。人工レンズにたんぱく質や脂肪組織の沈着が起こることがある。
感染によって眼内炎を起こすことがあり、最悪の場合は視力を失う。人工レンズで眼の中にある房水の流れを阻害するため、高眼圧症、緑内障になることがある。
フェイキックIOLはこうした問題が解決されていないため、一般的にはあまり行われていません。フカラの手術とは現在の白内障の手術とほとんど同じですが、混濁していない水晶体を超音波で吸引除去してから、近視の程度に合わせた補正用の人工レンズを挿入する手術です。
フェイキックIOLと同様、非常に重い近視や遠視も治す事ができます。白内障になった水晶体に比べて、正常な水晶体は組織が軟らかいため、超音波による吸引は白内障手術の場合より困難です。
フカラの手術は非常に強い近視を矯正できますが、次のような問題があります。フェイキックIOLとは異なり、水晶体を摘出するため、ピントを合わせる調節能力を失う。
術後は遠近両用メガネ、もしくは遠方か近方いずれかのメガネを装用しなければならない。
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その度数の差をもって乱視度数とします。乱視度数は相対的な値ですが、マイナスで表すのが普通です。
たとえば、90度のカーブが長く角膜度数がプラス45Dとします。180度のカーブが短く角膜度数がプラス42Dとします。
そのとき乱視度数は3Dです。カーブの長い軸の角度を乱視の軸としたときはマイナスを乱視度数につけます。
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円柱凹レンズにも度数があり、横から見た凹レンズの度数をもって円柱凹レンズの度数とします。この場合、マイナス3Dの円柱レンズを180度の方向に入れます。
円柱凹レンズで乱視を補正すると、マイナス9Dだけの近視が残り、ピントは網膜から3ミリ手前に結びます。そこでさらにマイナス9Dの凹レンズを使うとピントは網膜に結びます。
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また、円柱レンズで矯正できる乱視は正乱視といい、円柱レンズで矯正できない乱視を不正乱視といいます。不正乱視はドライアイ、角膜炎、角膜漬傷、円錐角膜などが原因で起こります。
弱視とは「矯正視力で1.0以上にならないような眼の状態」をいいます。近視や遠視、正乱視があってもレンズで矯正すれば視力は1.0以上になるのが普通です。
しかし、不同視、白内障、不正乱視、水晶体混濁、硝子体混濁、網膜症、円錐角膜などがあれば1.0の矯正視力にならないことがあります。特に、高齢者では水晶体が混濁する白内障や、視野が欠損する緑内障が高確率で起こります。
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なお、こうした例では、後述するウェーブフロントレーザーによって矯正できることがあります。乱視の状態を知るには後述するオートケラトメーター、トポグラフィーやオーブスキャンなどといった装置が役立ちます。
一般的に、レーザー屈折矯正手術では弱視を治すことはできません。「左右の眼における度数の差が2D以上ある状態」を不同視といいます。
不同視があれば度数の強い側で頭痛や肩こりが起こります。不同視の場合、眼鏡で両眼を完全に矯正しても近視が強いほうの眼では物が小さく見え、めまいが起こるため、両眼で物を見るのが難しくなります。
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